DECISION GUIDE 内製とWeatherCoverの比較

自社で「雨の日割引」をつくるか、WeatherCoverを入れるか。

雨の日割引、雨天返金、雨の日ポイント。施設が自前で始められる施策と、WeatherCoverは何が違うのか。
還元の形・運用の担い手・条件の設計の3つの軸で整理し、向く施設・向かない施設を分けます。

3つの判断軸自己診断チェックリスト
違いから見る
雨に濡れた屋外の木製テーブルと椅子
雨の日の施設のイメージ自前の割引も、WeatherCoverも、雨の日にお客さまを迎えるための手立てです。

まず、自前の施策を並べる

雨の日割引も、雨天返金も、雨の日ポイントも、目的は同じ。違いは3つの軸に現れる。

雨の日は料金を割り引く。雨で楽しめなかった分を返金する。雨の日の来館にポイントを付ける。リゾートやホテル、旅館、キャンプ場、ゴルフ場が自前で始められる雨の日の施策は多く、どれもお客さまへの誠意として機能してきました。傘の貸し出しと同じく、雨は現場で受け止めるものという考え方の延長にあります。

一方で、雨が予約に影響するのは当日だけではありません。予報を見て予約をためらう、先送りする、雨予報が出てから日程を変えるといった行動は、施設が雨の日を迎える前に起きています。どちらを選ぶかは、「雨の日にどう報いるか」に加えて「予約前に何を約束できるか」で考えると判断しやすくなります。

この記事では、両者を還元の形運用の担い手条件の設計の3つの軸で並べます。内製を否定する記事ではなく、どちらが自施設に合うかを判断する材料を示します。

予約前の天候不安は旅行者の意識調査の記事、判定の考え方は雨量判定の解説、導入後の役割分担は導入準備・運用ガイドで説明しています。この記事は「自社でやるか」の判断に絞ります。

判断軸1 還元の形

割引は来ても来なくても安く、返金はキャンセルを前提にする。キャッシュバックは、来て、雨なら受け取る。

自前の施策は、お客さまに報いる時点によって3つに分かれます。どの時点で報いるかが、お客さまの行動と施設の売上の両方を変えます。

事前割引

雨予報の日や雨天日の料金をあらかじめ下げる。料金で選ばれやすくなる一方、晴れても安く、雨に関係なく単価が下がる。値引きが続くと、通常料金との差を説明しにくくなる。

事後返金

雨で楽しめなかった分を後から返す。キャンセルや早めの帰宅と結びつきやすく、「返してもらえるなら来ない」という選択を促す面がある。金額の判断が現場に委ねられやすい。

来訪後のキャッシュバック

予定どおり来て、滞在中に条件を満たす雨が降れば、後から受け取る。予定はそのままで、キャンセルは不要。条件を満たさない雨は対象外になるため、地点・時間帯・基準を予約前に示す必要がある。

WeatherCoverは、この3つ目の形です。予約前には「天気を、予約をためらう理由にしない」ための材料になり、当日は「晴れても雨でも、楽しんで帰ってもらう」ための手立てになります。雨が降ったから来ない、ではなく、来て雨なら受け取る。この向きの違いが、自施設の稼働と当日の過ごし方に関わります。

判断軸2 運用の担い手

自前では、雨の判定・支払い・問い合わせの3つが現場に残る。

自前の施策で見落とされやすいのが、始めた後の運用です。誰が雨を判定し、誰が金額を計算して支払い、誰が問い合わせに答えるのか。多くはフロントや予約担当がその日の判断を担い、経理が精算し、問い合わせも同じ窓口に届きます。判定を目視や担当者の判断に委ねると、次のことが起きやすくなります。

  • 同じ日でも、判定する人によって「雨だった」の線引きが変わる
  • お客さまから見て基準が分からず、「あのときは対象だったのに」という比較が生まれる
  • 判定の根拠が記録に残らず、後日の問い合わせに説明できない
  • 雨の日ほど現場が忙しく、判定と支払いの手続きが後回しになる

WeatherCoverでは、Apple WeatherKitなどの気象データで条件達成の有無をLinkTripが自動判定します。お客さまは予約後の案内からアプリで予約を有効化し、条件を満たせば申請なしで受取可能額がアプリに表示されます。受け取りには、アプリで口座を登録し、振込を依頼する操作が必要です。判定や振込の問い合わせはLinkTripの窓口が受け、判定に使ったデータをもとに回答します。

施設に残るのは、これまでどおりの予約対応と月1回の精算です。予約確認メールの転送やAPI連携を設定すれば、予約情報は自動でLinkTripへ届き、予約システムの入れ替えは必要ありません。OTA経由の予約を対象にするかどうかと、その連携方法は、導入時に相談して決めます。

施設のキャンセル規定はこれまでどおりです。WeatherCoverはキャンセルではなく、来訪して条件を満たした場合に受け取る仕組みとして、既存の規定とは別に働きます。キャンセルや日程変更をした予約の扱いは対象プランの案内に載せます。PICAリゾートの対象プランでは、キャンセルや日程変更をすると対象外になることを公式ページで案内しています。

判断軸3 条件の設計

条件は、気象データ・地点・時間帯・還元率を同時に決める。ひとつ変えると、ほかの3つも動く。

自前で条件を設計する場合、まず「雨」を何で判定するかを決めます。スタッフの目視は基準が人によって変わり、気象庁の観測所の値は施設から離れていることがあり、雨量計は設置と記録の手間がかかります。どれを選んでも、「この地点の、この時間帯の、この基準」を予約前に示せることが前提です。

次に、地点・時間帯・基準を決めます。雨で体験の価値が変わる時間帯はプランごとに異なり、基準を低くしても、時間帯を長くしても、対象になる日は多くなります。最後に、還元率と価格のバランスです。還元率を高くするほど対象になる予約も多くなり、プラン料金に組み込むか、選べるオプションにするかでもお客さまの受け取り方は変わります。4つの要素は連動しているため、ひとつを変えたら残りも見直します。

WeatherCoverでは、この設計を施設とLinkTripで一緒に行います。気象データはLinkTripが用意し、地点・時間帯・条件・割合は、お客さまの過ごし方とプランの魅力・費用のバランスを見て決めます。判定は降水量で行い、雪やみぞれも降水量に換算して同じ基準で判定します。決めた条件は施設の予約ページで予約前に公開し、判定に使ったデータはお問い合わせ窓口から確認できます。

判定する時間帯・条件、キャッシュバックの割合は施設・プランごとに異なるため、共通の数値はこの記事に書いていません。

3つの軸の比較

並べると、違いは「誰が担うか」と「予約前に約束できるか」に集まる。

3つの判断軸での比較
判断軸自社で作る場合WeatherCoverを入れる場合
還元の形事前割引、事後返金、次回のポイントなどから施設が選ぶ。割引は雨に関係なく安くなり、返金はキャンセルと結びつきやすい。予定どおり来て、対象時間帯に条件を満たす雨が降れば、プラン料金のうち施設が決めた割合(最大100%)を後から受け取る。キャンセルは不要。
運用の担い手雨の判定、金額の計算と支払い、問い合わせ対応を、フロント・予約担当・経理が担う。気象データでの判定、お客さまへの案内と通知、振込、判定や振込の問い合わせをLinkTripが担う。施設はこれまでどおりの予約対応と、月1回の精算。
条件の設計気象データの選び方、地点・時間帯・基準、還元率と価格を自社で決め、お客さまに説明する。対象プラン・判定・割合・連携方法を施設とLinkTripで決める。判定に使う気象データはLinkTripが用意し、条件は予約前に公開する。

条件の数値と費用は施設・プランごとに異なります。

自前の施策が劣っているという意味ではありません。3つの軸のうち、自施設で担えるもの、予約前に約束できるものがどれだけあるかで、向き不向きが決まります。

判断のめやす

内製が向くのは、対象が限られ、判定と支払いを現場で完結できる施設。

内製が向く施設

対象が特定のイベントや短い期間に限られ、判定する日が少ない。判定と支払いをその場で完結でき、担当者が固定している。既に返金や割引の規定と窓口があり、雨の日の対応を加えるだけで済む。閑散期の料金を下げることが目的で、天候の判定を必要としない。WeatherCoverを入れる場合は、対象プランとしての販売、条件の設計、予約情報の連携を導入時に行い、費用も個別に見積もるため、この規模なら自前のほうが軽く済むことがある。

WeatherCoverを検討する価値がある施設

リゾート、ホテル、旅館のように、到着日と翌日など複数の時間帯で判定し、泊数によって条件が変わる。自社サイト、OTA、電話と予約経路が複数あり、問い合わせ窓口が分散している。雨の日ほど現場が忙しく、判定と支払いに時間を割けない。判定の根拠を記録に残し、お客さまに開示できる状態にしたい。予約前に条件を示し、雨予報の週にも選ばれる理由をつくりたい。

どちらにも当てはまる施設は少なくありません。その場合は、対象プランを絞って始め、運用の負担を見ながら広げる順序が取れます。

自施設に置き換える

いまの雨天対応を3つの軸で書き出すと、合う形が見えてくる。

現在の雨天対応がどの形で、誰が担い、どんな条件で動いているかを書き出すと、自施設に合う形が見えてきます。決まっていない項目があっても構いません。そのまま相談メールに書いていただければ、LinkTripが一緒に整理します。

還元の形

  • いまの施策は、事前割引・事後返金・来訪後のキャッシュバックのどれに近いか
  • 予約前のお客さまに、雨の日の扱いをどこで示しているか(予約ページ、確認メール、当日の案内)

運用の担い手

  • 雨かどうかを、誰が、何を根拠に判定しているか
  • 金額の計算と支払いを誰が行い、月にどれくらいの時間をかけているか
  • 判定や金額についての問い合わせは、どの窓口に届いているか

条件の設計

  • 判定の地点・時間帯・基準を、いまお客さまにどう説明しているか
  • 還元率と価格をどう決めていて、雨の多い季節にはどうなるか
  • 既存のキャンセル規定と、雨の日の施策がいまどう関係しているか

WeatherCoverを入れる場合

施設が決めるのは4つ。判定から振込までは、LinkTripが担う。

施設が決めるのは、対象プランと販売期間、判定する時間帯と条件、キャッシュバックの割合、予約情報の連携方法の4つで、いずれもLinkTripと一緒に決めます。決めた後の判定・案内・振込・問い合わせ対応と、予約ページの案内文のひな形はLinkTripが引き受けます。費用は条件をもとに個別に見積もり、契約条件と合わせて相談の段階でご案内します。精算は月1回です。

準備の手順と運用中の分担は導入準備・運用ガイドに、宿泊プランで判定する時間帯の決め方は宿泊プランの記事にまとめています。

LinkTrip / WeatherCover

雨の日の安心を、
予約プランの魅力に。

宿泊・体験プランに、雨天時のキャッシュバックを付けたい事業者さまへ。
施設の所在地と対象にしたいプランをお知らせください。
対象となる天候、金額、お客さまへの案内、導入手順に加えて、費用と契約条件もこの段階でご案内します。

雨天対策と導入を相談する法人向けサービスを見る

メールアプリが開き、件名と記入欄の入った下書きが作成されます。

出典

株式会社LinkTrip プレスリリース(PR TIMES、2026年3月26日)PICAリゾート「PICA 雨ふりHAPPY保証」公式ページ(いずれも2026年9月16日確認)。自前の施策の分類と起きやすいことは一般的な整理で、特定の施設の事例ではありません。判定する時間帯・条件、キャッシュバックの割合、変更・キャンセル時の扱いは、施設・プランごとに異なります。